朝鮮音楽の研究

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の音楽・軍歌・歌謡を翻訳。現在300曲収録を目指しています。開設:チュチェ104(2015)年4月23日 ※2016/8/22 コメント欄開放 姉妹サイト:http://www.geocities.jp/totalwar1939/

 【重大発表】2月8日を朝鮮人民軍創建日として意義深く記念することについて【労働新聞】

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  上:23日付労働新聞第一面

 

朝鮮人民軍創建記念日(建軍節)が4月25日から2月8日に変更されたというニュースである。

これまで朝鮮人民軍が創建された日は、金日成主席が初めて抗日パルチザン部隊「朝鮮人民革命軍」を創始したとされる4月25日と制定されていた。

実はそれ以前にも、1978年までは2月8日が創建記念日だったのだが、78年以降はずっと4月25日だった。

それは70年代を境として唯一思想体系が完成し、金日成が絶対的統治者となるに及び、朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)の建国神話と体制の正統性の根拠を抗日パルチザン部隊による武装闘争に求めるようになったからである。

それに伴い、本来の正規軍創建日である1948年2月8日は忘れ去られてしまっていた。

ところが今回、2月8日は「正規軍」の、4月25日は「抗日パルチザン」の創建記念日として再制定された。このニュースは、ソ連・ロシア・朝鮮史の大家である東大名誉教授・和田春樹氏が『北朝鮮現代史』(岩波文庫)で述べたように、かつてパルチザン部隊をそのまま継承したような意識下に置かれていた「遊撃隊国家」ではなく、朝鮮人民軍を「正規軍」として規定し直し、党と軍の分離を志向したことを意味する。

そしてこれは、抗日パルチザンを母体とするとされ、絶対的な権威を保有していた軍に対する党の指導強化という明確なメッセージが込められてもいる。

金正日総書記の時代が「党軍関係のアンバランスな時代」であったならば、金正恩委員長は再び党と軍の関係を正常なものとしようとしているといえ、ひいては「先軍政治」の終局を意味することになるかもしれない(はるか以前に言及されなくなっている気がするが)。

また神話化された建国史と現実との間に一定の接近があったことも示している。

以上のような理由により、今回の政令は極めて重要なものであるといわざるをえない。