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朝鮮音楽の研究

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の音楽・軍歌・歌謡を翻訳。現在100曲収録を目指しています。開設:チュチェ104(2015)年4月23日 ※2016/8/22 コメント欄開放 姉妹サイト:http://www.geocities.jp/totalwar1939/

【光明星節】普天堡第15集の謎

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光明星節だったので、金正日総書記が最も愛された曲『同志愛の歌』にまつわる謎に迫ってみたい。

同志愛の歌普天堡電子楽団バージョン、4sharedに飛びます。)

これは1991年発行の「普天堡電子楽団第15集・伴奏曲集3」からとってきた音源なのだが、この第15集がなかなか謎めいている。確かコリアブックセンターで購入したものだった気がする(レインボーかもしれない)のだが、私の持っている第15集は、よそで確認した同CDの曲目と大きく違っているのだ。

第一曲目が『輝け正日峰』である点は一緒だ。だがそれ以降の曲目は全然違う。

たとえば私の所持しているものの第二曲目は『愛のほほえみ』であるが、よそ様の所持しているのを見ると『ありがとうございます』だったりするのである。

そして『同志愛の歌』は私の所有している「15集」にしか収録されていない。なぜ...。

私が所有している他の「伴奏曲集」と比較検討してみた。

第14集「伴奏曲集2」を例にとろう。曲目は、他の方が所持していらっしゃるものとまったく一致している。第一曲の『われらの将軍様が一番だ』から第13曲『わが国が一番良い』まで、曲目それ自体には何ら不思議な点はない。

問題は発行年である。

両者を対比してみたところ、普天堡電楽団第15集の発行年が1991年であるのに、

第14集は1994年発行と記載されているのだ。常識的に考えれば、第15集よりも第14集のほうが先に発行されたはずなのに....。

 次に発売当初の同CDと、私の所有しているものとは、曲目が差し替えられているのではないかという仮説を立ててみた。

しかしこの仮説は一瞬にして破綻を迎えた。曲を差し替える意味がまったくないのだ。だいたい曲を差し替えるくらいなら、新しいCDを発行すればいいだけのような気がする。

そういえば、いつもの普天堡にくらべて演奏が全体的にチープに聞こえなくもない(この演奏はこの演奏で好きだけど)。

ならば考えられる可能性はひとつで、まだ機材やそれを扱う技能が発達途上にあった普天堡最初期の音源であるということ。すると、むしろ他の方が所持していらっしゃる「第15集」のほうこそ後から曲目を差し替えられたバージョンとなる。

あれ?するとさきほどの仮説は真だったのだろうか?第15集の発行より第14集のほうが発行年が遅く記載されているということは、第14集までもが当初の曲目から差し替えられているのだろうか?まるっきりわからない。

カオスがカオスを生む。結局、第15集の謎が明らかにされることは永遠にないのだろう。いやあ、朝鮮音楽CDは実に奥が深い。

ほかにもまだまだ色々な不思議が朝鮮音楽CDには存在するのだが、それらはまた後ほど探究することとしよう。

むすびとなるが、謎が解明できなかったとはいえ、朝鮮音楽CDの深遠な世界を明らかにした点で、まさに「朝鮮音楽の研究」の名にふさわしい論考となったのではないだろうか。