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朝鮮音楽の研究

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の音楽・軍歌・歌謡を翻訳。現在100曲収録を目指しています。開設:チュチェ104(2015)年4月23日 ※2016/8/22 コメント欄開放 姉妹サイト:http://www.geocities.jp/totalwar1939/

この地の主人たちは話す(이 땅의 주인들은 말하네)

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2001年創作。

 

我らは 我らはどうして社会主義を守るのか
前線の兵士たちは 心から話す
生まれ育ったなじみ深いゆりかご 命より貴重なんだ
我らの運命である社会主義 銃隊で守るのだと
世界で一番に良い 我らの社会主義
銃隊で守るのだと


我らは 我らはどうして社会主義を守るのか
この国の溶解工たちは 心ひとつに話す
労働者階級が主人となった 我らの制度が一番良い
我らの生活である社会主義 鋼鉄で守るのだと
世界で一番に良い 我らの社会主義
鋼鉄で守るのだと


我らは 我らはどうして社会主義を守るのか
豊かな田畑の主人たちも 誇らしく話す
搾取のないこの地で 千年万年 暮らしたいんだ
我らの幸福である社会主義 コメで守るのだと
世界で一番に良い 我らの社会主義
コメで守るのだと


我らは 我らはどうして社会主義を守るのか
チュチェの科学者たちは 矜持をもって話す
赤旗の祖国の そのふところ以外に住む場所などない
我らの信念である社会主義を より固く守るのだと
より固く守るのだと

 


우리는 우리는 왜 사회주의 지키는가
방선의 초병들은 심장으로 말을 하네
나서자란 정든 요람 목숨보다 더 귀중해
우리 운명 사회주의 총대로 지킨다고
세상에 제일 좋은 우리의 사회주의
총대로 지킨다고


우리는 우리는 왜 사회주의 지키는가
이 나라 용해공들 하나같이 말을 하네
로동계급 주인이 된 우리 제도 제일 좋아
우리 생활 사회주의 강철로 지킨다고
세상에 제일 좋은 우리의 사회주의
강철로 지킨다고


우리는 우리는 왜 사회주의 지키는가
풍년벌 주인들도 자랑 넘쳐 말을 하네
착취 없는 이 땅에서 천년만년 살고 싶어
우리 행복 사회주의 쌀로써 지킨다고
세상에 제일 좋은 우리의 사회주의
쌀로써 지킨다고


우리는 우리는 왜 사회주의 지키는가
주체의 과학자들 긍지높이 말을 하네
붉은기의 우리 조국 그 품 떠나 살곳 없어
우리 신념 사회주의 더 굳게 지킨다고
세상에 제일 좋은 우리의 사회주의
더 굳게 지킨다고

 

解説。普天堡電子楽団が創作した曲で、ヒョン・ソンウォルが歌唱しました。

一番で軍人、二番で労働者、三番で農民、四番で科学者がそれぞれ語る...という順番で並んでいるのが興味深いですね。2001年という創作時期から先軍政治を反映した歌詞だといえるでしょう。それに比べて1992年創作の「敬礼をお受けください」では一番で党が、二番で国家が歌われ、三番で軍が出てくる、という順番になっています。この歌がもし「敬礼をお受けください」と同時期につくられたとしたら、おそらく労働者や農民が軍人よりも先行して登場したでしょう。

歌とは直接関係がない話題で申し訳ないのですが、「先軍政治」をどう理解し、北朝鮮史に位置付けるかは難しい問題だといえるでしょう。確かに、金正日総書記は軍を支持基盤として政権を運営し、「党あってこその軍」ではなく「軍あってこその党」だとさえいわれています。しかし2009年に金正恩第一書記が表舞台に登場した直後に党中央軍事委員会の要職に就かせるなど、金正日総書記は晩年、軍に対する党の統制を強化したように感じます。金正恩第一書記もその路線を継承しているといえるのではないでしょうか。

またイデオロギーとしての「先軍思想」にはもっと複雑な事情があり、金正日総書記が党よりも軍を優先する政治を遂行するための「言い訳」として、いわば疑似イデオロギーとしての側面を持たせた政治方式だったのではないかと考えられます。したがって、思想面におけるコアな部分は依然としてチュチェ思想であり、「先軍思想」は決してその代替物ではないということです。ただやはり、労働者や農民よりも軍隊を優先させるのは社会主義イデオロギーの退潮だとの見方も可能ではあるでしょう。いずれにしろ、今後とも北朝鮮の体制はさまざまな変遷を繰り返しつつ運営されていくことでしょう。

 

参考:北朝鮮は何を考えているのか―金体制の論理を読み解く(平岩俊司、NHK出版)