朝鮮音楽の研究

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の音楽・軍歌・歌謡を翻訳。現在300曲収録を目指しています。開設:チュチェ104(2015)年4月23日 ※2016/8/22 コメント欄開放 姉妹サイト:http://www.geocities.jp/totalwar1939/

パンガプスムニダ(반갑습니다、うれしいです)

パンガプスムニダ(うれしいです)歌詞


同胞のみなさん 兄弟のみなさん このように会えてうれしいです
抱き合い うれしく 笑いあい 抱き合い うれしく 涙あり
オホホ ホホホホホ ニリリヤー
うれしいです うれしいです うれしいです うれしいです

同胞のみなさん 兄弟のみなさん 親しくその手を握り合おう
祖国のための熱情があるから 統一の慶祝も近い
オホホ ホホホホホ ニリリヤー
うれしいです うれしいです うれしいです うれしいです

同胞のみなさん 兄弟のみなさん 愛国の熱血たぎらせよう
太陽と星が良くて幸福で わが祖国が良くてうれしいね
オホホ ホホホホホ ニリリヤー
うれしいです うれしいです うれしいです うれしいです



동포여러분 형제여러분 이렇게 만나니 반갑습니다
얼싸안고 좋아 웃음이요 절싸안고 좋아 눈물일세
어허허 어허허 허허 닐리리야
반갑습니다 반갑습니다 반갑습니다 반갑습니다

동포여러분 형제여러분 정다운 그 손목 잡아봅시다
조국위한 마음 뜨거우니 통일잔치날도 멀지 않네
어허허 어허허 허허 닐리리야
반갑습니다 반갑습니다 반갑습니다 반갑습니다

동포여러분 형제여러분 애국의 더운피 합쳐 갑시다
해와 별이 좋아 행복이요 내 조국이 좋아 기쁨일세
어허허 어허허 허허 닐리리야
반갑습니다 반갑습니다 반갑습니다 반갑습니다

解説

1991年、普天堡電子楽団副団長兼作曲家、リ・ジョンオ作詞作曲で創作された

『うれしいです』(パンガプスムニダという朝鮮語名でもよく知られる)。

普天堡の最も有名な作曲家であるリ・ジョンオの作曲した曲のなかでも、『うれしいです』はとびぬけて知名度が高く(2015年に一夜限りの普天堡電子楽団再結成となった「追憶の歌」公演でも『我が国が一番良い』や『口笛』など他のリ・ジョンオ作曲の歌と並んで歌われている)、日本ではカラオケで歌える唯一の朝鮮音楽でもある。

「統一新報」2016年1月17日付は、1991年9月に行われた日本公演で披露されたのが、『うれしいです』の出初めで、リ・ギョンスク自身その反響に驚いたとし、「労働新聞」2015年2月23日付は、日本公演に際し金正日総書記が、在日同胞の前で公演するとき、最初の曲目としてあいさつの歌をつくらねばならない、と教示したことが記述されており、実際に総書記はメロディや歌詞に目を通し、具体的に創作を指導した旨も記載されている。

このように、本来は日本公演において在日同胞を前にした一曲目のあいさつソングとして創作されたものである。ところが、筆者所有の普天堡電子楽団日本公演時のCD一曲目には『うれしいです』が収録されておらず、また総連映画製作所発行のVHSも同様となっており、代替として『幸福あふれよ我が祖国に (행복 넘쳐라 나의 족국이여)』が一曲目として収録されている。普天堡は日本公演の際、東京も含め大阪や神戸といった日本各地の九都市を周回しているが、それらの公演で演奏された形跡は、いまのところ発見できていない(もっとも演奏されなかったという証拠もない。ただし東京朝鮮文化会館で収録された公演では映像が残っているので確実に演奏されたようだ)。

そうすると、リ・ギョンスクに直接インタビューしたはずの「統一新報」2016年1月17日付の記載はどのように解釈すれば良いのか。また歌唱されなかったとすればなぜ総書記は「第一曲」として創作せよと指示したのか、そして歌唱されたとすればなぜCDやVHSに収録されていないのか。この辺りは正直なところよくわからない。

『うれしいです』が最初は日本公演に向けて創作されたことは書いたが、のちには当初の目的よりも多様な場面で用いられることとなり、たとえば在日同胞の祖国訪問や、南朝鮮同胞の共和国訪問時などで幅広く用いられてきた。この辺りは『口笛』に通ずるところがあるが、『口笛』が恋愛詩という通俗的なテーマを持っていたのと同様、『うれしいです』もあいさつソングとして国境を越える普遍性を獲得したからにほかならない。

また『うれしいです』を独唱したリ・ギョンスクは金正日総書記に高く評価され、功勲俳優称号を得ることになった。